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社会の“あたりまえ”を疑う2回目

我が先輩谷口さんの授業2回目、
やはり刺激的な時間になりました。
1回目の感想はこちらから

そもそも国家って?を問う1回目から、
なぜ社会にルールは必要なのか?
法って何?というところへ。

王権神授説の次は社会契約説です。
どうして人は生まれながらにして固有の権利を有すると言えるのか?
固有の権利を自由に行使できるなら、
ルールも何もあったもんじゃないよ。
ルールが個人の自由を束縛するのはおかしくない?
いやいや、生まれながらにして尊重されるべき一人一人は、
それぞれの生き方が尊重されるために、
世の中を円滑に動かす最少限度の約束事として、
「法」を作ったんだよね。

その「法」を守ろうとする意思を持った集団で、
国とか団体は構成されるんだね、という始まりでした。
Screenshot_2018-07-24 【U49限定・法学初心者関係・全5回シリーズ】社会の“あたりまえ”を疑う、 法学者 谷口真由美さんと、「法」から考えるシリーズ イベントに参加しよう! まちライブラリー

そして、「法」を悪用する人が出ないように、
「法」を作る人や執行する人を束縛するために、
「憲法」というもう一つ上のものがあります。

憲法は司法・立法・行政に携わる人にこそ尊重擁護の義務を負わせます。

「納税の義務」というのは国民への義務というよりは、
納税できるだけの働ける環境づくりを政府に義務づけるものであったり、
そもそも税金の納め方を権力者の思いつきではなく、
「法律の定めるところにより」決めないといけないっていうことです。

ただ一つ、この憲法が保障する自由や権利は
「国民の不断の努力」
によって保持しないといけないので、
自由や権利を侵害するような言動をする国会議員が沢山出てくるとすれば、
それは国民の怠慢だということになります。

おかしな法律ができる、
与党が傲慢だ、
野党は頼りない、
そう思う時、
それは主権者である自分自身に向かってまず問い直さないといけないことです。

そういう意味で、
谷口さんは「主権者の品格」を備えるように言われたのだと思います。

第1回目では「主権者としての自覚」を問われ、
その次は「品格」を問うという、1段ずつステップアップさせる、
先生の持っていきかたの巧みなところです。

さて、その「品格」を問われる今回のディスカッションテーマは、
「死刑」についてでした。

権利と義務と正義を問う。

オウム真理教の13人の死刑が執行された7月の最後の月曜日に、
重い問いでした。

一緒にディスカッションした皆さんの考えはそれぞれでしたが、
僕自身はこの数年の間に死刑制度は必要ないと思うようになりました。
多分、子どもの頃とかもう少し若いころは、死刑は必要だと思っていました。
それこそ「正義」の心で。
でも、正義って一体なんだろう。
オウムの信者たちにも確かに彼らにとっての「正義」があったはず。
「正義」を執行し続けたその挙句の果てがサリン事件でもあり、
その最期でもあったはず。

社会の大多数の側にとってはサリン事件は正義ではなかったけれど、
オウムの人たちには社会の大多数こそが悪だったのです。
若い頃に何かの縁でうっかりおかしな集団に属してしまうということは、
誰にだって起こり得ることです。

こんなこと書いている僕にだって、
山ほどの失敗があって間違いがあって、
でも運よく今もありがたい人たちに囲まれています。

そして、死刑制度を問うときに、必ず
「被害者の気持ちになってみろ」
と言われます。

「相手の気持ちを思いやる」
というのはとても大切な、生きる上でのたしなみのようなものです。
もしも自分の大切な人が殺されたら、僕なら正気を失うだろうと思います。
復讐の鬼と化すかもしれません。

でも。

今、無事に冷静に考え事をできている自分は、
正気を失うであろうその時にはできない考えを、
敢えてしておかねばならない気がしています。

正気を失い復讐の鬼になっても、自分も被害者も加害者も周りも、
決して誰も幸せにはならないことを思わなくてはなりません。

だから、こと死刑制度を考える時は、
被害者の気持ちになってはいけないような気がしているのです。

殺されたのだから、相手を殺せと叫びそうになる時に、
ふと立ち止まる勇気が必要だと思います。

死刑は犯罪者にとって抑止力にはならず、
また冤罪の可能性もあります。

僕自身の「主権者の品格」を考えるとしたら、
僕のような間違い続けて生きている人間が、
誰かの命を奪う刑罰を持ち続けて本当にいいのか
という気持ちがあります。

民主主義国家で死刑制度を支持するということは、
王様の独断で死刑にするのではなく、
大臣が命令を下すのではなく、
自分たち一人一人が刑を執行しているのだ
という覚悟を持たねばなりません。

間違い続ける一人一人にとって、
なんと重い問いかけだろうと思います。

そして、間違い続けて時々はいいことも積み重ねてきた人類にとって、
憲法というのはなんと重いものだろうとも思います。

日本国憲法で僕が一番好きな条文は97条です。
「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。」

敗戦後の日本でこの条文を起草した人たちだけではなく、
もっと昔から、命を懸けて権利を勝ち取ってきた人々の努力の積み重ね。
過去の人たちの命の上に成り立つこの自由。

「我々はこうやってきた。あなたはこれをどうしたいのか?」
と問われたときに、どんな返答をすれば良いものか。
そんなことまで思い悩んでしまう、重い重い月曜日の夜でした。

素晴らしい授業とディスカッション、気が抜けない2時間となりました。
次回は8月最後の月曜に開催されます。
詳細はこちら
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プロフィール

春風~はるかぜ~

Author:春風~はるかぜ~
春風珈琲。コーヒー好き。コーヒーが生まれる場所を見たくてエクアドルのコーヒー生産者に会いに行き、ご近所の生産者のことが気になり始める。フェアトレードって途上国だけのことなのか。色んなところでコーヒーを淹れて、ゆるやかな時間を作ります。出会った人達の商品を紹介中。歴史と京都と町家も好きで、今熊野で町家暮らし。

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