『セデック・バレ』台湾と日本

きのう、映画『セデック・バレ』観てきました。

台湾のことは何となく好きで、この映画の題材になった「霧社事件」という悲劇のことも知っていたので、興味はあるけど重すぎてちょっと観に行けないなあと思っていました。
でも、意外な方角からお誘いを受けてしまい、行くことに。

「出草(しゅっそう)」というのは、「首狩り」の意味で、草むらに隠れて襲いかかって首を取るというような原住民の言葉なんだそうです。文字通り、草を刈るように首が飛ぶ映画でもあります。

意外だったのは、日本による圧政・抑圧による台湾原住民の抵抗運動という構図を徹底的に分かりやすく表現しているのかと思いきや、権力を振りかざす日本人と共に、他者に対して思いやり深く振舞う日本人もきちんと描かれていたことです。
それでも無差別に日本人は殺されていきますが。

日本人の描き方で印象的なシーンが幾つかありました。
例えば、セデックの男たちが戦いに敗れ、投降した原住民女性の中の、妊婦たちを救護所で診察する日本兵が紳士的で、女性達に微笑みさえ浮かべながら聴診器を当てているところとか。

日本と日本人のことを、徹底的に悪の権化みたいに扱わない台湾人の、日本への優しさの出所はどこなんだろうかと考えました。
日本が台湾の人たちから、もちろん批判は受けつつもそれなりに評価される部分というのは、日本人が台湾に残した何事かの足跡があるんだと思います。
日本が初めて得た海外の植民地ということも少しは影響しているのか。未開の植民地に対して文明の光を届けなくてはいけない、という明治初年の頃からの使命感とか。
そして、不平等条約の改正など様々な事情の中、国際社会の中で優等生であり続けることで国際的な評価を高めようとした時期の日本の姿勢とか。
または、敗戦後日本人が台湾から去った後にやって来た中華民国政府のあまりの腐敗ぶりとの対比として、とか。

ともかく、僕がこんなに台湾好きになった理由は、司馬遼太郎さんの影響と、ほんの少しの台湾旅行の影響が大きいのです。

そんなわけで、京都シネマでの上映は、明日5日(金)まで。
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春風~はるかぜ~

Author:春風~はるかぜ~
春風珈琲。コーヒー好き。コーヒーが生まれる場所を見たくてエクアドルのコーヒー生産者に会いに行き、ご近所の生産者のことが気になり始める。フェアトレードって途上国だけのことなのか。色んなところでコーヒーを淹れて、ゆるやかな時間を作ります。出会った人達の商品を紹介中。歴史と京都と町家も好きで、今熊野で町家暮らし。

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