高校生との対話

高校生向けのワークショップのファシリテーターという、
何ともびっくりのお役目を務めさせていただきました。

初めての経験ということで、
岡山の友人の下に修行に出かけたり、
そこで多くの仲間に応援してもらったり。
他にももっと多くの方から励ましのお便りやら、
メッセージを頂いたので、そんな皆さんへのお礼の意味を込めて、
当日のご報告をさせていただきます。
さて、そもそもこのようなご依頼を頂いた経緯なのですが、
5月に大阪で行われたフェアトレードのイベントで、
エクアドルでのウインドファームの活動や、
現地の方々のお話しをさせていただいたところが発端なのです。

それを聴いていた大阪の私立高校の社会の先生が、
「是非今度はうちで」
とお招きくださいました。

その先生の高校で行うのではなく、エリーニ・ユネスコ協会という、
日本ユネスコ協会連盟という組織を構成している団体からの依頼として。

当日は、高校生によるカンボジア・スタディーツアーの報告の後、
僕がフェアトレードのワークショップを行うという流れ。
高校生1時間、春風2時間という時間配分の集まりでした。

当日集まった高校生は20名。
大阪府内の幾つかの高校から参加がありました。
日本ユネスコ協会連盟の理事を含む教職員は9名。

机の配置や生徒の席順決めから、僕の裁量に任せて下さり、
全て春風仕様の場設定。

友達同士で一緒の席に固まらないように、
新しい友達ができるように、先生も巻き込んで楽しく過ごせるように、
そんなことを思いながら、朝から勝手に色々会場のレイアウト作り。

アシスタント役を務めて下さる先生は、
「生徒たちとお昼を食べる予定があるので・・・・」
とそそくさとお昼前に出かけてしまったので、
完全に僕の好き放題です。

その後、開場前にほぼ参加者が集まり、少し時間に余裕があったので、
勝手に春風の仕切りによる場が幕を開けました。
全ては僕の緊張を解きほぐすためと、
僕の前に話をしてくれる3人の高校生の為の仕掛けです。

春風「じゃあまず、僕も緊張しているので、話をしやすい場作りに協力して下さいね」

という前置きで、話の仕方、話の聴き方に、何点かお願いをしていきました。

話をする側は、伝えたいことを精一杯、表情に気を遣って話すので、
聴く側も、口の端を心持ち上げることを意識して、目に気持ちを込めて、
自分の表情を意識して聴いてほしいということ。

話し手と聴き手が「対等」な立場で、
「率直」に、かつ「誠実」に語り合いたいこと。
そして発言をしたり、もしくはしなかったりすることには「自己責任」であること。

そんなこんなを含めて、まずは僕が決めたグループの中で、
僕が指定した内容で、自己紹介をしあいながら練習してもらいました。

あっみんなすごく表情を意識してくれてる!
先生も生徒もみんな和気あいあいとおしゃべりしてくれてる!
おぉ、先生も自分の職場以外でのニックネームを告白してくれてるよ~。
何だか場がほぐれて僕の緊張も和らいできました。

そしていよいよスタートです。

3人の高校生のカンボジアツアーの報告からでしたが、
これがほんとに良かったのです。

一人目がカンボジアの教育事情を語り、
二人目がそこで出合った文化と、自分たちの文化の違い、
違いを知ったことで初めて自分の文化に興味が湧いてきた、
自分の無知さに気がついた、といった素晴らしい発見を語ってくれました。

そして三人目。
髪を染めてピアスをして、いかにも今時の雰囲気の男の子の報告が、
本当に圧巻でした。

カンボジアでまだまだ多く残る地雷原。
内戦による傷跡が本当に深い国なのです。

地雷のある区域には赤いロープが張られているのですが、
その区域の中に、安全を確保できた場所は通路として更に区切られているそうです。

その通路を歩いた時に感じた死の危険。
「防護服を着てたんですけど、ほんとに震えるほど怖かったんです」
「生まれて初めて、死ぬことがすぐ足もとにあることを感じました」
「でも、僕らの横を小学生たちが歓声をあげて駆け抜けていくんですよね」
「地雷原のすぐ隣に、小学校があるんですよ」
「当たり前のように死と隣り合って生きてるんスよ」
「それでも、この国の子どもたちは学ぶことを心の底から喜んでるんですよ」
「僕それまで勉強なんて大嫌いだったんですけど、カンボジアで変わりました」
「今は受験勉強も心から楽しんでます!」
「もっと色んな勉強をして、これから役立てていきたいです」

そのまっすぐな視線をが、本当にまぶしかったです。

そして、その彼は、最初に僕が場設定の為に色々とお願いをして、
話し終えた時に、真っ先に拍手を送ってくれた人だったのです。
その拍手によって、場を一気に和やかにしてくれたのでした。

その彼は、更に続けて
「僕は、最近『平和』について考えるんです」
「皆さん『平和』ってどういう意味があると思いますか?」
「僕は『命』を思い浮かべます」
「それから平和の『和』って辞書で調べたら『人と人のつながり』って意味もあるらしいです」
「みんなも是非考えてください」
「僕は理想はやっぱり高く持ちたいと思うんです」
「その理想に向かうために一歩ずつ進んでいきたい」

もう彼ら3人の話を聞いただけで、僕の話は要らないんじゃないか、
そう思う位高校生の報告に感銘を受けました。

その後頂いた僕の時間。

初めは高校生への返答から始めることにしました。

文化について語ってくれた生徒には、
僕が感じた異文化と接することの意味を。
自分以外の人がいることを知ることで、
初めて自分自身について考えるようになったこと。

自分の当たり前に思っていたことが、当たり前ではないこと。

それから、平和について語ってくれた生徒には、
エクアドルで出会った、コタカチ郡の前知事アウキさんの話を。
彼はウインドファームのインタグコーヒーを生産している地域の人です。
その彼に「平和って何だろう?」と尋ねた時にくれたキーワードを紹介。

「アウキさんは『命』『平穏』『ハーモニー』と言ってましたね」

「僕もあぁ確かにハーモニーだなって思ったんです。
人と人の間で生まれるものでもあり、自分の内側から生まれてくるものでもあるのかな」

「そんなハーモニーを生み出すために、さっき言われていた『理想を高く持つ』ということが、
本当に素晴らしいことだと思うんです」

「人には笑われるかもしれないけれど、その理想に向けて、
自分にできる小さな一歩を踏み出すことが何よりも素晴らしいと思います」

「僕もね、今まで色んな仕事をしてきたんですけど、よく説教されたもんですよ」

「『そんな甘いこと言ってどうするんだ!』『現実を見ろ』とか」

「でも、いいと思うんです、自分の信じる方向に向かえば」

何度も何度もうなづいてくれたその生徒は、本当に強いまなざしを、
僕に向け続けてくれました。

そういうわけで、ワークショップに入る前から長文になってしまいました。

以下、次号に続く。
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theme : 高校生
genre : 学校・教育

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プロフィール

春風~はるかぜ~

Author:春風~はるかぜ~
春風珈琲。コーヒー好き。コーヒーが生まれる場所を見たくてエクアドルのコーヒー生産者に会いに行き、ご近所の生産者のことが気になり始める。フェアトレードって途上国だけのことなのか。色んなところでコーヒーを淹れて、ゆるやかな時間を作ります。出会った人達の商品を紹介中。歴史と京都と町家も好きで、今熊野で町家暮らし。

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